その他疾患(胃腸炎・便秘、骨粗鬆症、更年期障害)|天神橋筋六丁目駅4番出口から徒歩1分の総合内科

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その他疾患(胃腸炎・便秘、骨粗鬆症、更年期障害)

その他疾患(胃腸炎・便秘、骨粗鬆症、更年期障害)|天神橋筋六丁目駅4番出口から徒歩1分の総合内科

急性胃腸炎

腹部を押さえている男性

急性胃腸炎とは

急性胃腸炎とは、胃腸の粘膜が何かしらの原因により障害をきたし、粘膜が炎症を起こしている状態です。炎症を起こした粘膜は腫れ、急性発症の下痢や吐き気、嘔吐、腹痛を引き起こします。胃腸の粘膜に障害を起こす原因にはさまざまなものがありますが、ウイルス性をはじめとした感染症が多く、一般的に急性胃腸炎というと、感染性胃腸炎を指すことが多いです。

急性胃腸炎の原因

急性胃腸炎の原因は、感染によるものが多く、薬剤やアレルギーが原因となることもあります。
感染症によるものは、ウイルス性、細菌性、その他の感染性胃腸炎に分けられます。

ウイルス性胃腸炎

小児の下痢の原因は、大半がウイルスの感染によるものであり、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスが代表的です。特にノロウイルスとロタウイルスが原因となることが多く、ロタウイルスは5歳未満のお子様のほぼ全員が感染すると考えられています。年齢が高くなるにつれロタウイルスでの急性胃腸炎の頻度は少なくなり、ノロウイルスによるものがその大半を占めるようになります。

細菌性胃腸炎

乳児期以降の小児や成人では細菌感染が原因の急性胃腸炎にかかることがあります。生卵や生肉の摂取によって感染が成立することから、食中毒の一種として捉えられることもあります。原因となる細菌には、カンピロバクター、サルモネラ、病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌などがあります。厨房で調理する人や学校・家庭内に感染した人がいる場合、ウイルスが付着した料理を食べたり、手指についたウイルスが口に触れたりすることで感染します。夏場に感染者が増える細菌性胃腸炎の原因となるカンピロバクター菌は、鳥類や犬・猫などのペットの腸に存在します。鶏肉、生卵、牛肉などをしっかり過熱していなかったり、料理の際にまな板や手に細菌が付着していたりすることによって感染します。

その他の感染性胃腸炎

ウイルス性と細菌性以外にも急性胃腸炎を引き起こす感染症があります。
ランブル鞭毛虫が原因のジルアジアや、オーシストという嚢包体に汚染された水や植物を摂取することで起こるクリプトスポリジウムなど、寄生虫による感染症もあります。

急性胃腸炎の症状

急性胃腸炎の症状は、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛などがあります。その他、腹部の張り、腹部膨満感、食欲不振を訴える方もいます。嘔吐や下痢により、脱水症状が起きると、小児であれば不機嫌になる、ぐったりした感じが強い、などの症状がみられるようになります。
また、合併症を引き起こすこともあり、細菌の種類によっては、手足の動かしにくさ、血便、貧血、けいれん、意識障害などが発症することもあります。

便秘

便秘とは

便秘は「便が出ないこと」だと思っている方が多いのですが、毎日排便があっても満足できる状態でなければ便秘です。これは、日本消化器病学会関連研究会が2017年末に便秘の定義として発表した「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」に基づいています。腸内に不必要な便がたまっている状態や、排便に過度のいきみが必要な排便困難がある場合、腸や肛門に大きな負担をかけ、さまざまな疾患の原因になります。

便秘は体質や食生活などの生活習慣も大きく関係しますが、医療機関を受診して適切な検査と治療によって改善できる病気です。大腸刺激系下剤の市販薬やサプリメントを常用していると慢性化・悪化させやすいため注意が必要です。
逆に、深刻な大腸疾患があって、その症状として便秘が現れていることも考えられます。

便秘の原因

便秘症にはさまざまな原因があります。たとえば、朝食をとっていない、食事の時間が不規則である、といった生活スタイルが原因となることもあります。また、糖尿病の薬や抗コレステロール薬、抗うつ薬、抗パーキンソン病薬などの薬が原因となって便秘症が生じることもあります。その他にも、糖尿病や甲状腺機能低下症、電解質異常、尿毒症、強皮症、パーキンソン病、うつ病、大腸がんなどの病気を原因として発症するケースもあります。

便秘の種類と症状

便秘は、大腸疾患などによって起こる器質性、蠕動運動などの機能に問題がある機能性に分けられます。器質性は狭窄の有無によってさらに細かく分けられます。

(1)機能性便秘

最も多いタイプの便秘です。生活習慣やストレス、加齢などの影響を受けて、大腸や直腸・肛門の働きが乱れる結果、起こります。

・弛緩性便秘(=大腸の運動の低下)

腸管の緊張がゆるんでしまい、ぜん動運動が十分行われないため、大腸内に便が長くとどまり、水分が過剰に吸収されて硬くなるタイプ。便秘の中でも頻度が高く、女性や高齢者に多いです。おなかが張る、残便感、食欲低下、肩こり、肌荒れ、イライラなどの症状も起こります。運動不足、水分不足、食物繊維不足、腹筋力の低下、極端なダイエットなど生活習慣の乱れが誘因になることもあります。

・けいれん性便秘(=大腸の過緊張)

副交感神経の過度の興奮によって腸管が緊張しすぎてしまい、便がうまく運ばれずに、ウサギのフンのようなコロコロとした便になるタイプ。食後に下腹部痛、残便感などの症状があることもあります。また便秘と下痢を交互にくり返すことも多いです。精神的ストレス、環境の変化、過敏性腸症候群(IBS)などが誘因になります。

・直腸性便秘(=直腸に便が停滞)

運ばれてきた便が大腸から直腸に入ると、直腸のセンサーが働き便意を催しますが、便が直腸に達しても排便反射が起こらず(便意が無い)、直腸に便が停滞してうまく排便できなくなるタイプです。
高齢者や寝たきりの人のほか、痔や恥ずかしさなどにより排便を我慢する習慣がある人に多いです。また最近、温水洗浄便座の水を肛門の奥まで入れるために神経の感度が鈍り、便秘になる人が増えています。

(2)器質性便秘

腸管の物理的(器質的)なものや状態により便の通過障害が起こる便秘症です。大腸がん、腹部手術後の腸管の癒着、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)などの原因があります。また女性で直腸の一部が腟に入り込んでしまう直腸瘤も、よくある原因です。このタイプの便秘では、まず元の病気を治すことが基本です。

(3)症候性便秘

全身疾患に伴うホルモン分泌異常や神経系の異常により腸管のぜん動運動が弱くなり、便秘がちになります。全身疾患としては糖尿病、甲状腺疾患、脳血管障害、パーキンソン病、自律神経疾患、膠原病などがあります。

(4)薬剤性便秘

各種の薬による副作用でおこる便秘症です。抗うつ薬、抗コリン薬(ぜん息や前立腺肥大、パーキンソン病などの薬)、咳止めなどは大腸のぜん動運動を抑えるので、副作用で便秘になることがあります。

検査・診断

診断にあたって、実際にどのような排便習慣であるかを詳細に確認します。
・週何回の排便があるか
・便の硬さはどうか
・排便後の感じはどうか など

何かしらの病気や薬剤が便秘に関与していることもあるため、それも踏まえて確認をおこないます。
また、便秘症では、大腸通過時間検査や排便造影検査などの検査が行われることもあります。大腸がんや甲状腺機能低下症、糖尿病などの器質的な病気が疑われる場合には、下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)や血液検査なども適宜検討されます。

治療方法

(1)生活習慣の改善

便秘の解消には、食物繊維の積極的な摂取などが有効であることはよく知られています。ただし、食物繊維には水溶性と不溶性があり、適切な摂取量なども便秘のタイプによって異なります。
また、生活習慣の改善では、排便習慣も重要です。便意があったらすぐにトイレに行く、朝は早めに起きて水をコップ1杯飲んでから朝食を食べて少しゆっくり過ごすなど、正しい排便習慣を身につける必要があります。

(2)薬物療法

便秘薬は種類が多く、一時的な使用に適したもの、継続的に使うことでゆっくり効果を表すものなどがあり、一人一人変わってきます。ほとんどが便の水分量を改善する薬剤、蠕動運動などの機能を整える薬剤、下剤、漢方、腸内細菌叢を改善するものなど、便秘のタイプや症状、ライフスタイルに合わせた処方を行われます。

骨粗鬆症

骨密度は50歳ごろから低下し始めます。高齢者の骨折は寝たきりの原因となるため、骨折予防が非常に重要です。
当院では骨密度測定器による腰椎、大腿骨骨密度の測定が可能です。定期的に骨密度を測定することで治療効果の判定にもなります。また骨代謝マーカーの測定も行い、一人ひとりに最適な骨粗鬆症治療を行います。

骨粗鬆症とは

老化などが原因となって骨の量が減少し、鬆(す)が入ったように骨がスカスカになり、もろくなって骨折リスクが高くなってしまう疾患です。骨に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル量(骨密度)は、20〜30歳頃の若年期をピークに、歳を重ねるとともに減少していきます。
この骨密度が減少をきたすことによって骨粗鬆症と言われる状態になり、背骨が身体の重みでつぶれたり、背中が曲がったり、変形による圧迫骨折をきたしたり、ちょっとした転倒で骨折すると言った事態を引き起こしがちになります。

女性に多い骨粗鬆症

骨粗鬆症は、高齢の女性を中心に、年々増加の一途をたどっています。骨粗鬆症は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下する更年期以降に特に多くみられます。エストロゲンには、骨の新陳代謝に際して骨吸収を緩やかにし、骨からカルシウムが溶け出すのを抑制する働きがあります。
閉経して、このエストロゲンの分泌量が減少してきますと、骨吸収のスピードが速まるため、骨形成が追いつかず、骨がもろくなってしまうのです。そのため、閉経を迎える50歳前後から骨量は急激に減少し始めます。50歳になる前に一度は骨粗鬆症の精密検査を受けるようおすすめいたします。

一方では、偏食や極端なダイエット、喫煙や過度の飲酒なども骨粗鬆症の原因と考えられており、最近は高齢の女性だけでなく、若い女性の骨粗鬆症も問題視されています。

骨粗鬆症の検査

骨粗鬆症の診断には、骨密度の測定、X線検査、身長測定、血液・尿検査などが行われます。

【骨密度の測定】

骨の強さを測定する際の重要な尺度の1つに「骨密度」があります。
当院では骨密度測定装置を導入し、この検査機器による骨密度の測定を行っております。
4ヶ月に1回の骨密度の検査をお勧めいたします。

【X線検査】

主に背骨(胸椎や腰椎)のX線写真を撮り、骨折や変形が無いか、また「骨粗鬆症」の有無(骨に鬆(す)が入ったようにスカスカになっていないか)を確認します。
骨粗鬆症と他の疾患とを判別するのに必要な検査です。

【身体測定】

25歳の頃の身長と比べて、どのくらい縮んでいるかを調べます。25歳時より4cm以上低くなっている場合は、それほど低くなっていない人と比べ、骨折する危険性が2倍以上高いという報告があります。

【血液検査・尿検査】

骨代謝マーカーを調べることにより、骨の新陳代謝の速度が分かります。骨吸収を示す骨代謝マーカーの高い人では骨密度の低下速度が速いため、骨密度の値にかかわらず骨折の危険性が高くなっています。

【食事療法】

骨粗鬆症の治療や予防に必要な栄養素は、骨の主成分であるカルシウムやタンパク質、および骨のリモデリングに必要なビタミンD、Kなどです。カルシウムは食品として700〜800mg/日、ビタミンDは400〜800IU/日、ビタミンKは250〜300μg/日を摂取することが推奨されています。
これらの栄養素を積極的に取りながら、しかもバランスの良い食生活を送ることが大切です。
骨粗鬆症の人が避けるべき食品は特にありませんが、リンやカフェイン、アルコールなどの摂り過ぎには注意しましょう。過ぎた量のアルコールは、カルシウムの吸収を妨げたり、尿からカルシウムの排泄量を増やしたりします。カフェインもまた、カルシウムの排泄を促します。
リンを摂り過ぎると、血液中のカルシウムとリンのバランスを保とうとして骨の中のカルシウムが血液中に放出されてしまい、骨密度の減少を招きます。

<積極的に摂りたい栄養素を多く含む食品>

・カルシウム…牛乳、チーズ、干しえび、しらす、ひじき、わかさぎ、いわしの丸干し、えんどう豆、小松菜、モロヘイヤ など
・タンパク質…肉類、魚類、卵、乳製品、大豆 など
・ビタミンD…あんこうの肝、しらす干し、いわしの丸干し、すじこ、鮭、うなぎの蒲焼き、きくらげ、煮干し、干し椎茸 など
・ビタミンK…納豆、抹茶、パセリ、しそ、モロヘイヤ、しゅんぎく、おかひじき、小松菜、ほうれん草、菜の花、かいわれ大根、にら など

【運動療法】

骨は運動をして負荷をかけることで増え、より丈夫になります。さらに、筋肉を鍛えることで体をしっかり支えられるようになったり、バランス感覚がよくなったりし、ふらつきが少なくなって転倒防止にもつながるため、運動療法は骨粗鬆症の治療には欠かせません。
骨量を増やすには、ウォーキングやジョギング、エアロビクスなどの中程度の強度の運動が効果的で、激しい運動をする必要はありません。散歩などを、可能なら毎日、あるいは週に数回でも有効ですので、とにかく長く続けてください。運動量を少しでも増やそうとする心がけが大切です。

【薬物療法】

症状が進んだケースでは、食事療法や運動療法に併せて薬物療法を開始します。現在使われている薬には、骨の吸収を抑える「骨吸収抑制剤」、骨の形成(新しい骨を作る)を助ける「骨形成促進剤」、骨の栄養素である各種ビタミン(D、K)剤などがあります。
また、腰や背中などに痛みがある場合は、痛みを取る薬も用いられます。
どんな薬を選び、いつから治療を開始するかについては、個々の患者様の年齢や症状の進み具合などを考え合わせながら医師が判断します。

現在、治療に用いられている薬には、主に以下のようなものがあります。

・ビスフォスフォネート製剤

骨吸収を抑制することによって骨形成を促し、骨密度を増やします。骨粗鬆症の治療薬のなかでも特に有効性の高い薬です。ビスフォスフォネートは腸で吸収され、すぐに骨に届きます。そして破骨細胞に作用し、過剰な骨吸収を抑制するのです。骨吸収が緩やかになると、骨形成が追いついて、密度の高い骨が出来上がります。

・SERM(サーム:塩酸ラロキシフェン)

骨に対しては女性ホルモンのエストロゲンに似た作用があり、骨密度を増加させますが、骨以外の臓器(乳房や子宮など)には影響を与えません。

・副甲状腺ホルモン製剤

骨形成を促進して骨量を増やし、骨折を減少させる薬です。専用キットを用いて1日1回自己注射する薬と、週1回医療機関で注射する薬があります。複数箇所の骨折が起こっている、骨密度が著しく減少しているなど、重症の患者様に対して用いられます。

・活性化ビタミンD

カルシウムの腸管からの吸収を増やす働きがあります。また、骨形成と骨吸収のバランスも調整します。

・ビタミンK

ビタミンK2は骨芽細胞に作用することで骨形成を促し、同時に骨吸収を抑制することで、骨代謝のバランスを整え骨の質を改善します。骨折を減らす効果が認められています。

・女性ホルモン製剤(エストロゲン)

女性ホルモンの減少に起因する骨粗鬆症に有効です。閉経期の様々な更年期症状を軽くし、併せて骨粗鬆症を治療する目的で用いられます。

・カルシトニン製剤

骨吸収を抑制する作用があり、強い鎮痛作用も認められています。骨粗鬆症に伴う背中や腰の痛みに用いられます。

・抗RANKLモノクローナル抗体

破骨細胞は、骨芽細胞と結合することによって骨を壊す細胞になります。
この結合する部分(RANKL)をブロックすれば、結合することができなくなるため、骨は壊れなくなります。このようにして骨が溶け出していく過程が遮断され、骨粗鬆症を治療することができると考えられています。
なお、この薬の特徴は、6ヶ月に1回の皮下注射で済む点です(6ヶ月製剤)。
ただし、血中のカルシウム濃度が下がりがちなため、ビタミンD製剤やカルシウム製剤を毎日服用していただくようになります。

更年期障害

更年期障害とは

閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といいます。更年期に現れるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います。

更年期障害の症状

更年期障害は人によって症状がさまざまです。おもな症状についてご説明します。

※更年期障害とよく似た、まぎらわしい症状もあり、中には、重篤な病気に発展する恐れのある症状もあります。自分で更年期障害と判断せず、まずは病院で正しい診断をしてもらうことが大切です。

肩こり

更年期になって首や肩のこりがひどくなる人は多いようです。更年期によるエストロゲンの減少による自律神経の乱れが、その症状を強めることがあります。日常生活の姿勢をチェックして、肩や首への負担がかからないように意識することや、またストレッチなど適度な運動や入浴で温めるなど、血液の循環をよくすることが効果的な対処法です。

疲れやすい

「何もする気が起こらない」「疲れてだるい」という症状も更年期障害特有のものです。周囲からはなかなか理解してもらえないのですが、更年期障害の治療(ホルモン補充療法(HRT))を開始することで、だんだんと元気が出てきます。

頭痛

頭痛は女性に多い症状ですが、更年期になってから出てきたり悪化したりする場合があります。更年期によって起こる頭痛は、脳血管の血管壁の痙攣や収縮によって起こるともいわれます。これもエストロゲン分泌の減少が関係していると考えられています。頭の一部が痛い、頭全体が重たい、うなじが痛い、肩こりをともなうなど、症状はさまざまです。まずは、受診し重大な病気でないことを確認したほうが安心です。

のぼせ・ほてり・発汗

いわゆる「ホットフラッシュ」という、のぼせやほてりは、更年期障害の代表的な症状のひとつです。急に顔が熱くなったり、汗が止まらなかったりします。自律神経の調節がうまくいかず、血管の収縮・拡張のコントロールができなくなることが原因です。「ホットフラッシュ」は、更年期障害の治療(HRT)によって軽減されます。

腹痛・腰痛

更年期障害以外に、卵巣腫瘍などの恐れもあるので、早めの受診が必要です。また、腰痛は更年期からよく見られる閉経後骨粗鬆症と関係している場合があります。HRTに使用するエストロゲンの種類によっては閉経後骨粗鬆症に保険適用されているものもありますので、お医者さんに相談しましょう。

不眠

やはり更年期のエストロゲン減少に伴う自律神経の異常によって、寝付きが悪い、眠りが浅い、すぐに目が覚めてしまうといった症状があらわれます。まずは、からだを動かして軽い疲労を与えたり、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かったりするなどしてみましょう。更年期障害の治療(HRT)で様子をみたり、場合によっては睡眠薬を一時使ったりして改善していきます。

イライラ

ちょっとしたことで、不安になったり、イライラしたり、感情の起伏が激しくなって怒りっぽくなる。これらも、更年期障害の症状のひとつです。ホルモンの変化は感情の起伏とかなり深く関係しています。更年期障害の治療(HRT)で、気分が落ち着き、今までのように過ごせるようになります。

動悸・息切れ

激しい運動をしたわけでも、興奮したわけでもないのに、急に心臓がドキドキしたり、突然、息が苦しくなったりします。これはエストロゲンの減少による自律神経の乱れから起こるものです。これらの症状は、更年期障害の治療(HRT)で止みますが、それでもよくならない場合は、呼吸器系や循環器系など内科的な検査が必要です。

うつ状態・不安感

気持ちがふさぎこむ、何を見ても感動できないなどのうつ症状は、専門家が診察すれば、本当のうつ病か更年期障害によるうつ症状か、区別ができます。治療で改善する見込みが高いので、まずは受診しましょう。

めまい

加齢によって血管の収縮や拡張のコントロールがうまくいかないために起こるのですが、更年期障害によっても起こることもあります。急に立ち上がったときや、からだの向きをかえたときなど、目の前が真っ暗になり、血の気が引いていくような感覚になります。まずは横になって休むこと。また、急な動作などめまいを起こさせるような動きをしないよう、日頃からの心がけも大切です。更年期障害以外のこともあるので受診し正しい診断をしてもらいましょう。

更年期障害の原因

更年期障害は、閉経にともない卵巣の働きが衰え、女性ホルモンである「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の分泌が急激に減少することで起こります。

エストロゲンの分泌量が減少すると、今までエストロゲンによって調節されていた、からだのいろいろな機能がうまく働かなくなります。また、エストロゲンが低下すると脳は卵巣に対して、もっと女性ホルモンを出すようにシグナルを送ります。しかしその際に、シグナルが周囲の脳に不要な興奮を起こしてしまうことで、自律神経の調節がうまくいかなくなります。つまり、女性ホルモンの急激な減少にからだがついていけず、神経の調節不良や心身の不調が起こりやすくなる状態になるのです。そのような状態は多かれ少なかれ生じますが、特に日常生活にまで影響を及ぼす場合を更年期障害とよび治療を必要としています。